ラウズカード、そのサイズ
はじめに「仮面ライダー剣」におけるライダーシステムをおさらいしよう。
平成ライダーにおいて肉体変化や装着型など多様なパワーソース、変身形態が出来上がった中、2019年現在でも剣のライダーシステムは少々、異様なものだ。
BOARDの開発したライダーシステム1号<ギャレンアーマー>ならびに2号<ブレイドアーマー>、またイレギュラーではあるが3号として<レンゲルクロス>となる。
余談ではあるがカリスについては<カリスベイル>と称され、「ヴェール」つまるところ"化けの皮"だと設定が物語っているのではないかと推察する。
カリスを除く3ライダーの各システムは、あくまで人間が作った機械的な物だ。それではG3やファイズと同じ装着型なのかと言われると、そうであるが何かが違う。パワーソースとなるアンデッドを封じたラウズカードにおいてはクウガなどと同じ、超常的な遺物、古代の産物なのである。さらに超全集などにて書かれる装備品の素材は「ミスリル」などのファンタジー要素が絡んでくる。これはファイズでは「ソルメタル」「ルナメタル」などSF向き軽量超合金であった部分だ。
"魔法の力を科学で制御している"
そういった趣きのライダーシステムなのである。
バックルの後部で脊髄と接続され、装着者の身体に直接アンデッドの力を流し込む。これは伊坂がデータを取っていた融合係数など本編にも反映されている。そして「制御を超えたアンデッドとの融合」がどのような結末に至ったか。それは本編を完走した者ならば知っての通りである。
さてそのラウズカードであるが「変身後のスーツは手袋分厚いなどの兼ね合いで、カードダスサイズでは見栄えが悪いので大きくした」と言う話があった。どこかのインタビュー記事だったと思う。
ただ実際に、劇中ではほぼ全ての場面で大きいサイズのラウズカードが使われている。撮影用に大小合わせて200枚(最低52枚にブランク含め)ものカードを作っている場合ではないのだろうと推察される。
ただしターンアップの機構が複雑なためか、変身シーンで役者が持っている物はDXを改造した物のようだ。これは後年も含めて、プロップ作成のコスト削減に繋がるようで、ある種の定番ともとれる。そのため変身シーンについては
大サイズのカードを持っている→左手にDXサイズバックル→挿し込むシーンでカードダスサイズに小さくなる→ターンアップ(orオープンアップ)
という流れになる。
橘がギャレンバックルを返すシーンではどう見ても挿入できないサイズのチェンジスタッグを一緒に烏丸へ渡している。
蜘蛛の意思に影響された虎太郎が深夜、レンゲルバックルを持ち出すシーンでもトレーにチェンジスパイダーが飛び込む瞬間に小さくなっている。
つまりあれだ。
「ラウズカードはサイズを変えることが出来る」と言うのが多分正しい見方なんだと思う。超暴論。
ラウズカードそのものが魔法系アイテムであり、なおかつよく考えるとバックルでさえ手ぶらから「どっから来たんだ」ってくらいにスッと取り出すので、ひょっとしたら響鬼さんのベルト太鼓のようにバックルも伸縮するものなのかもしれない。
(そもそもアーマーはバックルの中に粒子化されて収まっているらしい)
大きいか小さいか、そんな事はどうでもいい。